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「体罰等によらない子育て」について/「学童期・思春期メッセージ」第10回編集会議開催報告

2024年6月21日

コンテンツチームの荻原です。

きずなメールは「テキストでつながり続けるセーフティネット」です。2024年5月28日現在、5万7108人の読者の方とつながり続けています。

より長くつながりつづけるために現在、18歳までの「学童期・思春期メッセージ」をブラッシュアップするための編集会議を、オンラインで月1回、開催しています。

第10回の6月11日は4名の医師と、4名のきずなメールスタッフが出席しました。

この学童期思春期メッセージは、段階を踏んで育てていく原稿です。
6~18歳のお子さんや保護者の方に向けたメッセージは、団体としても初の試み。
具体的には、3段階にわたってバージョンアップしていく計画となっています。
今は第2段階の準備について、検討を進めております。

少しずつ具体的な原稿が出来上がってきています。

今回は特に、自転車、歩行中、水の事故などの「事故予防」、生命の安全教育の一部として「プライベートゾーン」などについての原稿を作成し、検討しました。

 

 

【コンテンツ担当の思索録】「体罰等によらない子育て」について

編集会議の中で、体罰の問題が取り上げられました。

知らないことが多く気になって調べてみると、まだまだ浸透しきっていない日本の状況が見えてきました。

 

■体罰は2020年4月の法改正以降、明確に禁止されている

日本では民法、児童福祉法等が改正され2020年4月から法律が変わりました。
この時、民法第822条の「懲戒権」の項目も廃止されました。

821条では
“体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない”
という部分も加わり、体罰が許されないものとして明確に法定化しました。

 

■日本人の6割は部分的な体罰を是認?

一方で、日本では6割の人が部分的な体罰は是認しているという統計もありました。
(以下のグラフ参照
https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/taibatsu )

統計を取った年が2018年となっているので、法改正以前のデータではあるようですが、法律が変わっても、意識が同時に矯正されるわけではありません。法改正がゴールではなく、ここからひとりひとりが意識して取り組んでいく必要があると感じました。

 

■なにが体罰か

こども家庭庁の以下の資料ではこのように伝えていました。
(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/taibatsu)

“身体に、何らかの苦痛を引き起こし、または不快感を
意図的にもたらす行為(罰)である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当”

おしりをたたく、手をたたくなども、その痛みや苦痛によって子に何かを教える、叱るならば、しつけではなく体罰です。
「恐怖心でおさえつける」ことは、多くのリスクを生みます。
行動問題のリスクが高まったり、お子さんの発達を阻害するなど、体罰に様々な悪影響があることは、科学的にも様々なエビデンスがあるようです。

 

体罰がどのような経緯で日本でも禁止され、ここまでいたってきたのか学ぶことができました。
引き続き、調べを進めていきたいと思います。(了)

 

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