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災害という非常時に、平時からの「そなえ」としてのきずなメール/「学童期・思春期メッセージ」第6回編集会議開催報告

2024年2月27日

コンテンツチームの荻原です。

きずなメールは「テキストでつながり続けるセーフティネット」です。2024年2月26日現在、5万5874人の読者の方とつながり続けています。

より長くつながりつづけるために現在、18歳までの「学童期・思春期メッセージ」をブラッシュアップするための編集会議を、オンラインで月1回、開催しています。

第6回の2月20日は3名の医師と、4名のきずなメールスタッフが出席しました。

この学童期思春期メッセージは、段階を踏んで育てていく原稿です。
6~18歳のお子さんや保護者の方に向けたメッセージは、団体としても初の試み。
具体的には、3段階にわたってバージョンアップしていく計画となっています。
前回第1段階の原稿案すべての完成を迎え、今回は第2段階の準備について、検討を始めていきました。

また、2024年4月から始まる5種混合の予防接種についてや、災害時の情報ツールとしてのきずなメールについてなど、学童期・思春期にとどまらない、盛りだくさんのトピックとなりました。

 

【コンテンツ担当の思索録】災害時の情報ツールとしてのきずなメール

2月上旬に、被災した地域で妊産婦や乳幼児の支援に当たっている「石川県災害時小児周産期リエゾン」の医師から団体に連絡がありました。

被災地でストレスを抱えながら生活する、妊娠中や出産したばかりの女性たちへ向けた支援サイトを立ち上げるにあたり、弊団体の「エジンバラ産後うつ質問票」を使わせてほしいというご連絡でした。

お力になれるのであればぜひということで、以下のサイトで活用していただきました。
令和6年能登半島地震「母子支援サイト」

※「エジンバラ産後うつ質問票」は、妊婦/産後の「こころ」のセルフチェックのページ内の「妊婦のこころチェッカー」「産後のこころチェッカー」のタブをクリックすると飛ぶことができます。

その中で、きずなメールが災害時にどのように役立つのか、改めて考える機会がありました。
私は入職してまだ1年ほどですが、東日本大震災の時に、石巻でもきずなメールが活用されたということを聞いていました。
今回こういった機会が訪れたので、改めて当時の状況を記録したレポートを読ませていただきました。
「子育てきずなメール」の監修者のひとりでもある、産婦人科専門医の太田寛先生によるレポートです。

以下がリンクです。

レポート「石巻赤十字病院メールマガジン構築の経緯とその発展」
https://ameblo.jp/kizunamail/entry-11306528296.html

レポートを読んでみて感じたことをまとめてみたいと思います。

 

■「情報の受け取りやすさ」が「行動」を自由にする

まず、被災地で妊産婦や小さな子どものいる保護者たちが、避難所にとどまることは少ないということが、ひとつの気づきでした。

遠方の親戚の家や、被災した自宅に戻ることが多く、最初にケアを受けるべき対象でありながら、情報が届かず必要な支援を受けられない状況が起こりやすい。

また逆に、遠方に避難したくても仮設住宅などの情報が届かなくなることを懸念し、離れられないという状況が起こりうることもわかりました。

そんな中、「携帯電話さえ持っていれば、地元の情報がどこでも手に入る」という安心感があれば、「一時的に安全な遠隔地に避難することに対する抵抗が減る」のだということが書かれていました。

これだけでも大きな貢献ができるものだと改めて感じました。

 

■災害状況にマッチしやすいきずなメール

きずなメールの特徴と、災害時の状況で求められることとが、とてもマッチしやすいことがよくわかりました。

例えば、通信負荷が低い点。
あるいは、情報を探すために被災者が行動しなくても、手元にまで届くということ。
また、一方的にこちらから送るだけではなく、読者の側からも発信ができる双方向であることなどです。

詳しくは、リアルな言葉でつづられたレポートを、ぜひご一読してみてください。

 

■きずなメールは災害のための「そなえ」になる

また、今回一番大きな気づきだったことは、きずなメールに登録することは、災害の「そなえ」であることです。

災害時に一斉に情報を送ることができるメッセージサービスの課題として、事前に登録をしておいてもらわなければならない、ということがあります。

レポートの中でも「災害が起こってからの登録では、初期の情報提供ができず、またメールマガジンを周知するためには、チラシの配布などの従来型の情報提供が必要となり、せっかくの機動性が半減してしまう。」と書かれています。

災害が起きてからの準備では遅いのです。

平時から通常の情報提供ツールとして運営し、登録を募り、つながりをこつこつ作っておいて、災害が起きたときには即時に切り替えられる準備をしておくことで、災害対策ツールとして、最大限の活用ができるのです。
今回、そのことを改めて学ぶことができました。

防災バッグの準備やハザードマップの確認とともに、「きずなメール」の登録も、有用な「そなえ」であることを伝えていきたいと感じました。

(了)

過去ログ
災害という非常時に、平時からの「そなえ」としてのきずなメール/「学童期・思春期メッセージ」第6回編集会議開催報告
「こども大綱」ときずなメール事業「拡充原稿」第5回編集会議開催報告
「希望の型」を原稿にも盛り込めないだろうか「拡充原稿」第4回編集会議開催報告
「拡充原稿」第3回編集会議開催報告/コンテンツチームの思索録
「拡充原稿」第2回編集会議開催報告/コンテンツチームの思索録

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