特定非営利活動法人 きずなメール・プロジェクト / 代表理事
大島 由起雄(おおしま・ゆきお)
多摩美術大学卒。KKベストセラーズにてエンターテイメント誌の副編集長を務めた後、WEBの企画制作会社を経て「きずなメール・プロジェクト」を創設。
私たちは、新しい命の誕生に対し、
社会全体から「おめでとう」の言葉があふれる世界を目指し、
「コンテンツ」で社会課題に取り組んでいます。
特定非営利活動法人 きずなメール・プロジェクト / 代表理事
大島 由起雄(おおしま・ゆきお)
多摩美術大学卒。KKベストセラーズにてエンターテイメント誌の副編集長を務めた後、WEBの企画制作会社を経て「きずなメール・プロジェクト」を創設。
新しい命を授かること、新しい命が誕生すること――本来なら未来や希望を感じ、社会全体が喜びを持って迎えるはずのかけがえのないワンシーンに今、「乳幼児虐待」「産後うつ」「孤育て」(孤独な子育て)という悲しい問題が横たわっています。私たちはこの問題を、家族、地域社会、そして社会全体で意識を共有し、しくみを整えることで改善できる課題と捉え、その予防や解消のためにアクションを起こすことを使命とした団体です。
上に掲げた3つの問題は、出産後から4ヵ月の間に集中しています。いずれも産後の早い時期にあらわれます。ならば、これらの問題を予防・解消するために重要な時期は、「出産直後の数ヶ月」なのでしょうか。いいえ、それは280日間ある「妊娠期間」が鍵を握ります。
ならば、これらの問題を予防・解決するためにケアすべき対象は、母親となる女性なのでしょうか。いいえ、母親を含め、父親となる男性、地域社会の意識が鍵を握ります。
モノも情報もあふれる現在。しかし、「泣きやまない赤ちゃんを傷つけてしまった」「子育ての悩みを打ち明ける相手もおらず、家でふさぎがちに…」という問題に対し、モノや情報はその予防や解消への大きな力には成り得ていません。逆に便利で快適な生活そのものが、思い通りにならないことが多い子育てへの耐性を失わせていたり、情報がありすぎるからこそ、何を信頼し、どの情報を選択すべきか、かえって混乱させている側面もあります。また、すでにある官民の支援策が親となった人たちに十分に届いていなかったり、こうした支援が必要である妊産婦さんのほうに、支援を受けることへのためらいがあったりもします。
では何が必要なのでしょう。私たちは、これらの課題に最も力を発揮するものは、妊娠期間中から地域と連携しながら継続して取り組む「きずなづくり」だと考えています。
妊娠期間から、母親・父親とお腹の赤ちゃんのきずなを強めること。
妊娠期間から、母親と父親の子育てパートナーとしてのきずなを強めること。
妊娠期間から、地域社会と親となる人のきずなを強めること。
私たちは、私たちが制作した<きずなメール>を通して、妊娠期間から地域のきずなづくりを支援していくことで、”孤育て””乳幼児虐待””産後うつ”という社会的課題の予防・解消、「だれもが誰もがかけがえのない思いで新しい命の誕生を迎え、子育てができる地域社会の実現」をめざします。
私と松本(元副代表・現コンテンツ開発)は、夫婦です。長女の妊娠時に『安心マタニティブック』の原書「The Pregnancy Journal」と出会い、長男出産翌年に、携帯メルマガを活用した妊産婦支援のアイデアが生まれました。「きずなメール・プロジェクト」は紛れもなく、“家族”から始まった物語です。
妻が「The Pregnancy Journal」と出会ったのは、長女を妊娠したとき、アメリカ在住の友人からプレゼントされたことがきっかけでした。妻は「お腹の赤ちゃんの成長を“1日単位”で紹介する」というコンセプトの本に感動しながら妊娠期間を過ごし、無事出産。産後、「この本をぜひ日本の妊婦さんにも届けたい」と出版社に企画を持ち込んで実現したものです。
私はというと、妻の妊娠がわかった途端、いつもの風景が違って見え始めました。妊婦さん、ベビーカー、ママチャリ、三輪車が町にこんなにも多いのかと。人間のセンサーは自分に関係ない情報は省略しますが、親になったことで、妊婦さんやベビーカーが突然「リアル」な情報に変化したのです。
親になる前の私は恥ずかしながら、「社会のために何かしたい」などと考える人間ではありませんでした。その私が、妻が妊娠した途端「子供の未来が少しでもいいものであってほしい。そのために何かできることはないだろうか」とさえ考え始めたから現金なものですが、親になることで初めて「社会」(地域)に出会ったともいえます。独りで生きているわけではない、と。
<きずなメール>は「お腹の赤ちゃんの成長をメールで毎日送ったら、妊婦さんに喜んでもらえるのでは」という素朴な思いつきが発端でしたが、その後私自身が別のマタニティ本の制作を通して、また2児の父として、妊娠・出産・産後の現場に様々な問題が起こっていることを知りました。
とりわけ乳幼児虐待は、ニュースに出会う度に胸がかきむしられます。虐待を受ける子どもの痛ましさはもとより、心ならずもそうしてしまう親の苛立ち、孤独、絶望。こういうことを少しでもなくせないだろうかと。
そんなとき私は、私たちの夫婦のアイデアに、問題解決に役立つ可能性があることに気づきました。「何かできること」は、自分の目の前にあったのです。
私自身が、こんなに便利でグローバル時代でも、子育てには多くの人の手や支えが必要で、地域とは切り離せないものだと実感しています。地域と関わって地域の人・関連機関のサポートをいかに活用できるかが、うつや孤育て、乳幼児虐待を減らす鍵になるではないでしょうか。きずなメールはただ読むだけでも役立つかもしれませんが、できることなら、地域からの「あなたは独りじゃない。ひとりで子育てしなくても大丈夫」という手を差し伸べる場であってほしいのです。メールの文字だけの情報が、実際に人が出あって直接寄り添う支援の活性化につながってほしい。
事業として考えるなら、今のような時代だからこそ「家族から始まる物語が事業として社会化する」というモデルを成功させたい。実現することで、同じような人々を勇気づけたいとも思います。 命や地域の「きずな」を支える仕事を通して、これに関わる人々もまた支えあい成長できる。<きずなメール>はそういう“場”であってほしいし、その力があるはずだ、というのが私の今の想いです。
(2011年5月6日に提出したSVP東京 応募表明フォームのテキストを一部改稿して掲載)
名称 |
特定非営利活動法人 きずなメール・プロジェクト |
---|---|
設立 |
2010年11月3日 (「いいお産の日」) |
法人化 |
2011年4月1日 |
活動内容 |
|
所在地 |
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-22-10-3Bアクセス |
連絡先 |
電話 03-6709-6893 / メール inquiry@kizuna-mail.jp |
URL | |
紹介資料 |
ビジョン
新しい命の誕生に対し、
社会全体から「おめでとう」の
言葉があふれる世界。
ミッション
アプローチ
特定非営利活動法人 きずなメール・プロジェクト / コンテンツ開発
松本 ゆかり(まつもと・ゆかり)
大学卒業後、都内編集プロダクションにて雑誌、書籍の編集・取材に携わる。その後フリーランス書籍編集・ライターとして教育、健康分野等の書籍編集、取材執筆を行う。2010年、夫である大島と共に本NPOを設立、以来「きずなメール」コンテンツの制作を担当。
きずなメール・プロジェクトは、私(松本)の妊娠、出産と深くかかわっています。
はじまりは、1冊の本『The Pregnancy Journal』との出会いでした。この本の著者は、自分が妊娠中に感じた「いま、赤ちゃんはどんな感じに成長してるの?」等、おなかの赤ちゃんのことをもっと知りたい!という気持ちからこの本をつくりました。
妊娠。初めての妊娠に戸惑い、喜び、おそれ…妊娠初期は妊娠・出産に関する本をたくさん買い、読む。
妊娠中期にさしかかった頃、アメリカに住む友人から妊婦向け書籍『The Pregnancy Journal』(上の写真)が届く。受精した日から出産予定日までの265日間の毎日、「胎児の成長の様子」と「ママへのアドバイス」が書かれているその内容に、大きく感激。その当時の日本には、月単位、週単位で胎児の成長過程を紹介する本やホームページ等はあっても、「1日」単位で紹介してくれている本はありませんでした。
秋、長女出産。
育児にほぼ専念しつつも『The Pregnancy Journal』に出会った感激が忘れられず、「日本の妊婦さんも<1日単位>で胎児の発達過程や、妊娠・出産に関する知識、メッセージを送ってくれる本があれば、喜ばれるのでは」との思いが募る。
一大決心し、『The Pregnancy Journal』を送ってくれた友人に日本語への翻訳を依頼。翻訳原稿と共に出版社の永岡書店に「日本語版The Pregnancy Journal」の企画を提出。これまで日本市場には同様の本がなかったにもかかわらず、企画を即採用してくれる。
約1年の制作期間を経て、「日本語版The Pregnancy Journal」が『はじめての妊娠・出産 安心マタニティブック』 のタイトルで永岡書店より出版される。発売半年後あたりからamazonの妊娠・出産本ジャンルでつねに1位に。
日本で初めて、1日単位で胎児の成長を紹介する本です。この本が多くの妊婦さんに支持してもらったことが支えになって、「きずなメール」は生まれました。
冬、長男出産。2度目の妊婦生活を送りながら、胎児の成長や妊娠生活のアドバイスを妊婦さんに「毎日」届けるには携帯メールがいいのではと思いはじめる。
代表・大島(当時は編集&WEBの企画制作会社に勤務)が「1日ずつ胎児の成長を紹介する」コンセプトの妊婦向け書籍、『幸せのマタニティブック』(主婦と生活社) を企画立案、編集を担当する。また、デイリーマタニティメール自動配信システムを構築、実際に配信サービスを開始する。
社会起業プロジェクト『きずなメール・プロジェクト』をスタートさせるべく、大島と合流、11月3日(いいお産の日)に設立。
産婦人科医、助産師、小児科医、歯科医、管理栄養士という大勢の専門家の協力を得て〈きずなメール〉の基本原稿は作られています。妊婦さんや出産された女性の声、協働する自治体や産院等の担当者の想いも反映されています。制作の過程ではいつも「立場は違えど、生まれてくる赤ちゃんを祝福したい、お母さんお父さん達を支えたいという気持ちは一緒だな」と感じています。
新しい命を祝福したい。子育てを応援したい。そうした気持ちを表す方法のひとつとして、どうぞ〈きずなメール〉をご活用ください。気持ちを重ねることで、届ける力は大きくなります。
大島 由起雄おおしま・ゆきお
代表理事
設立者
大学卒業後、複数の出版社、編集プロダクションに勤務、KKベストセラーズ「競馬 最強の法則」副編集長など編集者を約15年。親になったことを機に、社会的企業、ソーシャルビジネスの考えに出会い、本NPOを設立。2児の父。
松本 ゆかりまつもと・ゆかり
共同設立者
コンテンツ開発
大学卒業後、都内編集プロダクションにて雑誌、書籍の編集・取材に携わる。その後フリーランス書籍編集・ライターとして教育、健康分野等の書籍編集、取材執筆を行う。2010年、夫である大島と共に本NPOを設立、以来「きずなメール」コンテンツの制作を担当。
井上 綾子いのうえ・りょうこ
自治体協働パートナー
2016年4月入社
大学卒業後、通販スキンケア会社に勤務。お客様窓口、キャンペーンやイベントの企画等に従事。第一子出産時に退職。2年間子育てに専念した後、本NPOに入社。導入自治体窓口業務や提案を担当。2018年夏に第2子を出産。
石川 瑶子いしかわ・ようこ
自治体協働パートナー
2021年4月入社
大学にて児童教育や心理学を学び、一般企業での営業職を3年経験。その後、東京都内3区の子育て支援センターにて計9年間勤務しました。現在は、きずなメールの活動を中心に、訪問型支援や地域のコミュニティー作りにも参加中です。
三本松 容美さんぼんまつ・まさみ
自治体協働パートナー
2021年4月入社
人が生きていくためには、情報や社会的な資源へのアクセスはとても重要と考えています。一児の母で、出産前は出版社で制作管理担当として10年ほど勤務。自身の出産時には「きずなメール」を読めなかったが、団体の取組みに共感し入職。
西川 恵子にしかわ・けいこ
政策企画提案チーム
2021年11月入社
政策企画提案チームで議員さん、自治体、医療機関、民間企業、様々な方に提案を行っています。大学卒業後、信託銀行で総合職の営業として勤務し、夫の転勤を機に退職した後は、子育てに没頭。育児が一番大変だった2人育児の時からきずなメールの読者になり、御縁あって入職しました。
鈴木すずき
政策企画提案チーム
2022年6月入社
子どもや養育者にとって生きやすい世界を作る一助になりたい「事業型NPO」の収益構造に共感し参画。一児の父。前職は自治体営業の商社→コンサル→学習塾経営。
荻原 彩おぎはら・あや
コンテンツチーム
2023年3月入社
書くこと、読むことが好きで、テキストを仕事に出来る本NPOに入職。前職は図書館併設のカフェや、書店勤務など。一児の母。人のこころに興味があります。
羽賀はが
自治体協働パートナー(補佐)
2023年11月入社
大学卒業後、会社員として勤務していましたが、転居や第一子妊娠を機に専業主婦となりました。第二子を出産し、一歳を迎えるまで育児に専念。その後、社会とのつながりを求め、社会復帰を決意しました。第一子出産時に産後うつになった経験から、「切れ目なくつながり続ける」きずなメールの事業に共感し、縁あって入職しました。
太田 寛おおた・ひろし
産婦人科専門医
リリーベルクリニック勤務。北里大学公衆衛生学助教。「子育てきずなメール」監修チームのメンバー。(参考)「石巻赤十字病院メールマガジン構築の経緯とその発展」
入部 直之いりべ・なおゆき
株式会社独立宣言
代表取締役
東京ディズニーリゾートを経営する、株式会社オリエンタルランドに約30年間在籍し、要職を務めた後に独立。SVP東京在籍時からプロボノとしてきずなメールを支援。
二木 洋美ふたぎ・ひろみ
弁護士
ことのは総合法律事務所
第二東京弁護士会子どもの権利委員会委員、東京三弁護士会ハーグ条約に関する協議会委員などを経験。
※ハーグ条約とは「国際的な子どもの奪取についての民事上の側面に関する条約」のことです。
児童の権利に関する条約の精神にのっとり、双方の事業を通して養育者の孤立を防ぐことで、子どもの育ちを支え、「子どもの最善の利益」の実現を目的とした協定を締結しています。
「LINE」を活用して、養育者の孤立を妊娠期から予防し、「子どもの育ち」を支え、「子どもの最善の利益」の実現を目指す取り組みを共同で推進することで合意し、連携協定を締結しています。
児童の権利に関する条約の精神にのっとり、双方の事業を通して養育者の孤立を防ぐことで、子どもの育ちを支え、「子どもの最善の利益」の実現を目的とした協定を締結しています。基礎自治体としては初です。
児童の権利に関する条約の精神にのっとり、双方の事業を通して養育者の孤立を防ぐことで、子どもの育ちを支え、「子どもの最善の利益」の実現を目的とした協定を締結しています。
中間支援団体。2011年に投資・協働先に採択され、2年間の伴走支援を受ける。この支援が、育児期のきずなメール誕生の端緒となった。
三菱UFJフィナンシャル・グループの総合シンクタンク。同社が、ソーシャルビジネスに取り組む事業者に資金支援と人的支援を行う「ソーシャルビジネス支援プログラム」の2013年支援先団体に採択された。
東北の社会課題解決を目指す起業家に対し経営・資金調達支援を行う、一般社団法人。きずなメール・プロジェクトは2016年度に経営支援先団体に採択された。
同社のCSRプログラムである「社会事業家支援コンサルティングセッション」で、プロボノによるサポートを受けた。
杉並区の中間支援施設。きずなメール・プロジェクトは同施設のサポートにより、杉並区のNPOとして法人化した。その後も杉並区NPO支援基金普及委員会、杉並NPO等活動推進協議会、地域づくり勉強会などを通して地域に貢献している。
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-22-10-3B
TEL:03-6709-6893(平日:10:00 〜 17:00)
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