「マルハラ」ってご存知ですか?/「学童期・思春期メッセージ」第7回編集会議開催報告
コンテンツチームの荻原です。
きずなメールは「テキストでつながり続けるセーフティネット」です。2024年3月26日現在、5万6469人の読者の方とつながり続けています。
より長くつながりつづけるために現在、18歳までの「学童期・思春期メッセージ」をブラッシュアップするための編集会議を、オンラインで月1回、開催しています。
第7回の3月19日は5名の医師と、4名のきずなメールスタッフが出席しました。この学童期思春期メッセージは、段階を踏んで育てていく原稿です。
6~18歳のお子さんや保護者の方に向けたメッセージは、団体としても初の試み。
具体的には、3段階にわたってバージョンアップしていく計画となっています。
第2段階の準備について、検討を進めていきました。
また、2024年4月から始まる5種混合、肺炎球菌15価の予防接種についてや、異なる分野で活躍されている医師たちの情報交換の様子も垣間見ることができ、そういった場に立ち会えることの貴重さを感じました。
【コンテンツ担当の思索録】「マルハラ」って知っていますか?
先日新聞を読んでいたら、この言葉が目に留まりました。
マルハラとは、以下の意味のようです。
マルハラとは、「マルハラスメント」の略称。
「承知しました。」「はい。」「連絡ください。」など、中高年から送られてくるメッセージの文末に句点がついていることに対し、若者が距離感や冷たさを感じて恐怖心を抱くことを指している。
(出所:産経ニュース https://www.sankei.com/article/20240206-YWJICX4DSBEP3HMZ6SJD63PGNM/)これは、ちょっとした衝撃でした。
文章が「。」で終わるという、私の感覚からすると当たり前のことが、ハラスメントになってしまうとは。
とはいえわが身を振り返ってみると、30代後半の私でも、その配慮に覚えがないわけではありません。
LINEでやりとりをする際、文末は絵文字にした方が感じがいいだろう、と「。」の使用を避けたり、同じ絵文字がつながると適当に返信していると思われるのでは、と絵文字のバリエーションに気を回したり…
しかし、ハラスメントというのには、ちょっと言葉が強いのでは、と思ってしまうのが正直なところです。
テキストメッセージの配信を行う「きずなメール事業」のコンテンツ担当としては、句読点の使い方についての動向はなかなか興味深いものです。
興味を惹かれ、ネット上の記事をいくつか読み比べてみましたが、様々な意見があります。
・若者とやりとりする際には句点を除いて「!」や絵文字をひとつつけるといい、絵文字の赤い「!」は怖いのでやめたほうがいいなどの具体的な対処法。
・そもそも若者は本当にハラスメントと感じているのか?メディア発で広がったものではないかという意見。
・また、句点を付けたらマルハラと言われ、絵文字を付けたら、おばさんと言われる…などのぼやきも。
私もはじめて「マルハラって『。』が怖いということなんだ…」と知ったとき、もっと絵文字を付けてにぎやかにした方がいいという意味なのだと思いました。
しかし、これはどうやら「おばさん」の感覚…
A「承知しました。」
B「承知しました」
上記ふたつでは、Bの方が冷たい印象はないというのです。
若い方は、当たり前だろうと思いましたか?
私は、驚きました。
「。」を打つ手間すら惜しいほど時間がないか、自分とのやりとりを煩わしく感じているのではないか…などと考えてしまいます。
しかし、若い世代は短い言葉でスピード感のあるやりとりを好む傾向にあって、むしろ見慣れない句点に、冷たさを感じやすいのだと言います。
きずなメールの原稿から句読点が消える、ということは当分なさそうですが、思春期学童期にあたる若い世代がもっている感覚について、考えさせられた言葉でした。
最後に、この「マルハラスメント」について、俵万智さんがX(旧Twiter)に投稿された短歌をご紹介します。
“優しさにひとつ気がつく ×でなく〇で必ず終わる日本語”
句点のあるなしも、何と比べるかでだいぶ印象が変わります。
もしもこの「。」が「×」だったら…と想像しながら受け止めると、そっけなかった「。」が、急にやさしげに見えてくるかもしれません。(了)
過去ログ
災害という非常時に、平時からの「そなえ」としてのきずなメール/「学童期・思春期メッセージ」第6回編集会議開催報告
「こども大綱」ときずなメール事業/「拡充原稿」第5回編集会議開催報告
「希望の型」を原稿にも盛り込めないだろうか/「拡充原稿」第4回編集会議開催報告
「拡充原稿」第3回編集会議開催報告/コンテンツチームの思索録
「拡充原稿」第2回編集会議開催報告/コンテンツチームの思索録