きずなメール・プロジェクト

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「通読プロジェクト」の進捗報告/子育てにおけるGender equalityを促すマタニティきずなメールRP⑩

2025年10月3日

コンテンツチームの荻原です。

妊娠期の「マタニティきずなメール」と、子どもが生まれてからの「子育てきずなメール」で構成される私たちの「きずなメール事業」では、年に一度、原稿を最新の状態に保つためのリニューアル作業を行っています。

どちらのコンテンツも医師や管理栄養士による監修を受けており、監修の専門家によるファクトチェック、読者から届いた声の検討、また、妊娠出産、子育ては時代によって変化しますので、その変化などに対応しています。

今年は様々な条件が重なり、例年よりも規模を大きくし、新たな視点を追加して「マタニティきずなメール」のリニューアルを行うこととなりました。

この大規模なリニューアルを「マタニティきずなメールリニューアルプロジェクト」として、こちらで進捗状況を報告しています。

ブログのタイトルにある「マタニティきずなメールRP」とは、「マタニティきずなメールリニューアルプロジェクト」を指しています。

私たちは、本リニューアルの柱のひとつとして、「通読プロジェクト」というものを行ってきました。
これは、団体外部の方に原稿を読んでいただき、そのフィードバックをもらう活動です。

この活動については以前もブログで取り上げました。
https://www.kizunamail.com/news/16868/

7月末に、これから妊娠や出産を経験していくかもしれない世代といえる、男子大学生の方々とオンラインでのフィードバックをもらう会を行い、
9月の頭には、事務所に来ていただき、直接お話をすることもできました。

具体的に結婚や出産などを考えるのには少し早い世代かと思いますが、妊娠期のプレママ/プレパパに向けたメッセージ、どのように受け止めてくださったのか…
フィードバック会の模様を、少しだけお伝えいたします。
(このインタビューは、事前に全ての原稿を読んでいただき寄せていただいたコメントと、アンケートの解答を参考に行いました)

■読み終えてみて、大変でしたか?それとも簡単だった、楽しかった、など、どのように感じたか一言お願いします
まずは全体的な受け止め方について聞いてみましたが、「知らないことを知れて面白かった」「楽しみながらできた」というお声をいただきました。
一方で、「連続して読むと結構重なってる内容が多かったので、少し大変だった」という意見も。
実際は、日々届くものを少しずつ読むことがコンセプトのきずなメール。大切なことは何度も呼びかけることもありますが、いっぺんに読むとおなかいっぱいになってしまう一面もあるようです。

■男女関係の中で、「言わなくてもわかってほしい」「空気を読んでほしい」「察して欲しい」という気持ちからすれ違いが生まれてしまうことも多いですが…この「察して文化」的なものについて思うところはありますか?
この質問に対して、なるほどと思うお話をたくさんいただいたのですが、中でも意外に思ったことをひとつご紹介します。
語っていただいたトーンは残しつつ要約した回答を共有します。

「結構僕たちの世代って、年上の人が出す、“察してくれオーラ”とか“背中で学ぶ”とか、そういうの、嫌がってるのかなと。答えがすぐ欲しいみたいな。結局何をすればいいの?みたいなところにすぐ行きがちだと思います。“言ってくれないとわからないよ”みたいな感情になってる同世代の人は結構多いんじゃないかな。年上の人に対して。
むしろはっきり言ってくれた方がいい。遠慮なく厳しいことでもズバズバ指摘してもらえたり、正面から言われる方が受け止めやすいっていう感覚はあります」

私は、若い世代はむしろ、「年上の方がぐいぐい来ることに対して、もっと距離を取ってほしい、そう思っていることを察して欲しい」のではないか、と予想をしていました。
しかし、むしろ逆の感覚を抱いている方もいるのだ、という気づきがありました。
もしかすると、「今の若い子はメンタル弱いから」「ぐいぐい来られるの嫌なんだよね」「なんとかハラスメントって言われちゃうよね」などの先入観を持っているのは、上の世代の方なのかもしれないと思いました。

また、「背中で学べ」はしっくり来ない、というのは別のこととして捉えるべきかと思いました。
これは、効率化や高速化された今の時間感覚と、この「背中で学べ」の精神が、マッチしづらいということかな‥と考えました。
背中で学ぼうとしたときにあらわれてくる、理不尽さ、非効率さ、ディスコミュニケーション感などは、いわば「まわり道」。
「まわり道」そのものに、正否はないと思うけれど、「そうするしか学ぶ方法がなかった世代」と「学ぶ方法が色々とある世代」では、受け止め方は違うだろうなと思えました。

他にも、「周りの人に助けを求めることについてのハードルについて」「飲食店や病院などを選ぶときの情報入手経路や各種情報への信頼感について」「タバコに対する受け止め方」「プレコンセプションケアって知ってる?」など、様々なことが話題に出ました。

今回のリニューアル主旨である「Gender equality」に関しては、これまでに同じ通読プロジェクトに参加し、お話をさせていただいてきた方々(子育て当事者のママや子育て支援の現場の方、精神科の先生など)の誰よりも、「もっとパートナーができることがある」という視点をたくさんいただきました。

子育ての現場を知っている方ほど、パートナーへの言葉は慎重に選ぶ傾向を感じ、それはそれで、現場の大変さをひしひしと感じましたが、これから父親になるかもしれない世代の方からそうした意見をたくさん聞くことができて、心強い気持ちになりました。

ご協力いただいた皆さまには、改めて謝意を伝えたいです。
引き続き、原稿検討に活かしてまいります。(了

 

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