牛丼屋、子連れだと50分かかる~子どもが生まれて想定外だったこと
広聴チームの三本松です。
2022年4月に産後パパ育休がスタートして、きずなメールの読者アンケートでも父親の回答が増えるかと期待も込めて観察していましたが、読者の母親・父親割合は前年と同等の母親9:父親1弱です(その他がわずか)。
割合は変わりませんでしたが、令和5年度のアンケート回答者の父親のNは妊娠期で103、子育て期で573(いずれも速報値)あり、自由記述にもけっこうな数の父親の声が集まっていますので、本記事でご紹介していきたいと思います。
きずなメールの読者アンケートでは、妊娠・育児当事者の心情や子育て環境に関する設問がいくつかあります。
その中より「現在子育てをしながら、子どもが生まれる前には「想定していなかった」「知らなかった」ということがありましたら、ぜひお書きください。」の設問に寄せられた父親からの声です。
127件ありますが、数として目立ったが、「時間」「お金」「保育園」に関する記述です。
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■時間
・自分の時間が全くと言っていいほど無くなった事。例えば、牛丼屋に単身で入ればこれまで15分で食事が済ませられたが、子連れだと店を出るまで50分かかる。 これが子供の有無の違いなんだと実感して、受け止め、諦めている。(子どもの父親(2人目以上)、40代前半、2歳0か月-2歳5か月)
・自分の時間がほぼゼロになること(子どもの父親(1人目)、30代後半、2歳0か月-2歳5か月)
・送り迎えが毎日発生するので、今は慣れたが、ここまでしっかり面倒を見るのだと改めて思います。土日の時間や、自分の時間がないので、他の親はストレスはどうやって発散しているのか謎です。1人の時間(リフレッシュ)が欲しいと思います。共働きの人は買い物はいつ、何処でしているのか?夫婦とも時間がありません。(子どもの父親(1人目)、30代後半、2歳0か月-2歳5か月)
・自分の時間があまりにも取れなくなること。子供は土日のどちらかでも預かってもらえるとたすかる。(子どもの父親(2人目以上)、40代後半、6歳0か月-6歳11か月)
■お金
・インフラ代が高い(子どもの父親(1人目)、40代後半、0歳6か月-0歳11か月)
・当たり前ですが、子供ができると広い家が必要になり、家賃の負担が増えること。(子どもの父親(1人目)、30代前半、1歳6か月-1歳11か月)
・保育料がこんなに高額とは思わなかった。(月額77,000円)(子どもの父親(1人目)、30代後半、1歳6か月-1歳11か月)
・正直思った以上にお金がかかる。(子どもの父親(1人目)、30代後半、2歳6か月-2歳11か月)
■保育園
・保育園申し込みルールの複雑さ(子どもの父親(2人目以上)、40代前半、0歳6か月-0歳11か月)
・保育園に行き出して、毎月風邪をひいて休んでいます。風邪も引くとは想定していましたが、ここまでとは思いませんでした。保育園入園に際して育児休業明けの予約制度があることを知らず、市役所の窓口で相談したところ教えてもらって知りました。(子どもの父親(1人目)、30代前半、1歳6か月-1歳11か月)
・未満児保育の場合、下の子が生まれると育休中には退園して自宅保育になるとは知らなかった。なんとか幼稚園の満3歳児クラスに入れたから良かったが、入れなかったら生活が成り立たないところだった(子どもの父親(2人目以上)、30代前半、2歳6か月-2歳11か月)
・保育園入園が非常に困難だったこと(子どもの父親(2人目以上)、50代、6歳0か月-6歳11か月)
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想定していなかったことを問うていますが、記述からは現代の育児をする父親像が浮かびあがってきます。
団体では集まった当事者の声を一般にも公開できるよう進めています。(令和4年分まではこちらにございます。)
分析して活用したい等のご希望がありましたら、ぜひお問合せいただきたく存じます。妊娠・育児当事者の声をもとに、よりよい環境づくりに寄与できるよう声を大切にしていきます。(了)