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援助方針会議に子どもが参加することを実現した中野区児童相談所の「子ども中心」を支えるしくみ

2023年12月28日

きずなメール・プロジェクトの井上です。
先日団体研修で参加した日本子ども虐待防止学会@滋賀大会で、中野区児童相談所一時保護係の方から、令和5年度の活動の発表を聞きました。

中野区では、「子ども中心を支えるしくみ」として、
①一時保護所の運営
②人材確保・育成、特別区の横連携
③係横断プロジェクトチーム(権利擁護)
④経験者、弁護士、医師等の専門的パックアップ
⑤職員フォロー・カウンセリング
を一体的に運用し、これが子ども中心の『土台』として機能しているということでした。

特に③係横断プロジェクトチーム(権利擁護)は、子どもの権利の一つ「意見表明権」を保障して行政の支援につなげるため、児童相談所に一時保護されるなどした子どもの声を聞く意見表明支援員の活動があるそうです。

具体例として、援助方針会議への子どもの参画の方法に、オンラインを活用して一時保護所とつないで会議に参加したケースがあることが紹介されました。

一時保護所と子どもとアドボケイタ―がいる部屋をオンラインでつなぐことで、大人の多い会議室に入らなくてよく、子どもの心理負担を軽減しながらも会議に参加できる方法ということでした。

オンラインで会議に参加する以外にも、はじめに子どもに援助方針会議を開く意味を伝え、その上で会議に向けて子どもが綴った「自分の気持ち」のお手紙を、会議の参加者で読み、援助方針を決めていったというケースも紹介されました。いずれも、そこにいるリアルな存在として子どもを捉えている取り組みだと感じます。

会議での質問内容を子どもに予め共有して、その対応を決める会議に参加したいかしたくないか、また参加したい場合にはその方法を提示することで、子どもの意見を中心に進めていくという会議の進め方に強い決意を感じました。

その後、会議に参加した子どもにヒアリングしてみると、充実感に満ちた顔で思ったよりも話せたという声があったり、援助決定に対する納得感が得られたり、家庭復帰した場合もその後のパートナーシップにも良い影響が表れたケースがあるとのことでした。

反面、子どもの声を尊重することで新たな問題に直面することもあり、会議に子どもが参加することは果たして本当に良い結果に結びつくのかという葛藤の最中だ、とのことでした。

子どもがどのような形で参加しようとも、決定された措置内容より、子どもも一緒に考えたその過程が何より大事だ、という考えにとても共感しました。まさに、当事者である子ども主体を体現しています。

権利擁護プロジェクトチームとしては、前例にとらわれず、子どものためにこんなことできるのでは?という試みる姿勢が一番の強みだと話されていました。2022年6月に成立した改正児童福祉法で「児童の意見聴取等の仕組みの整備」が盛り込まれ、子どもの権利擁護の環境整備が都道府県等の業務として位置づけられました。各地で仕組みづくりがはじまり、社会的養護に係るこどもの権利擁護の強化も図られていくことで、今後も加速していく動きだと思います。

もちろん、すべてのケースが当てはまるわけではありませんが、中野区児童相談所では子どもの意思を表明する手法の実践例がすでにあり、今後子どもが選ぶ選択肢の一つに加えられていることは、何よりも意義のあることだと感じました。(了)

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