「糸でもつながっていればいい。パイプは相手が不自由感を感じることも」(子育てきずなメール運用報告会開催報告)
コンテンツチームの古屋です。7/16(日)に、団体の運用報告会にオンライン参加しました。
「運用報告会」は、きずなメールの0~2歳コンテンツである「子育てきずなメール」の制作監修チームである複数医師の皆さんに、コンテンツの使用状況やこれからの課題について共有する場です。
「子育てきずなメール」は2011年、共同設立者夫妻と東日本大震災の被災地支援を機につながった医師チームとの出会いから生まれたコンテンツです。当初は全員がボランティアで制作に携わり、2013年に事業化されてからも常にレビューを繰り返すことでアップデートされています。
私は3月に入職したばかりでご一緒出来る機会がありませんでしたが、今回、何名かの先生と初めてお顔を合わせることができました。事業の会計報告や、団体の現状報告、これからの事業について話をしていく中で、印象深かったのが、次の言葉です。
「糸でもつながっていればいい。すぐにパイプをつなぎたくなるところだけど、パイプは相手が不自由感を感じることがある。区切りのいい日にプッシュ型で届く、というのはとても重要。誰かが見てくれているんだ、行政も気にしているんだという意識を持つ。それで困ったときに、その先にアクセスできるということが大切」
「弱いきずな」は団体にとって大切な言葉のひとつで、働き始めてから4か月の間にも、いろんな形で、このモデルがきずなメールの肝なんだと感じることがたくさんありました。この言葉もやっぱりそこにつながる話です。きずなメールの内容だけでなく意義や価値について、医師の方からも当たり前のように出てくることに驚きを覚えました。
『子育てきずなメール』は、原稿の内容だけでなく、その意義や価値も、団体と制作監修チームの長い議論の中で醸成されてきたものなのだと改めて感じることが出来ました。
ゆるやかにつながりつづける。
このコンセプトそのものが、効果の期待できるひとつの処方箋として、実際の医療の現場に立たれている医師の方々からも賛同していただいているんだなと心強い気持ちになりました。
もうひとつあります。
「成長につれて、医療的な見地から言えることは減っていく」
これは、もっと高い年齢の子どもたちへの原稿を作る、ということについての議論の中ででてきた言葉です。
子どもたちは、育つにつれて、多様になっていき、「こころ」の発達もどんどん進んでいく。その中で、医療が担える部分は減っていくのだ、と言います。
もっと高い年齢の子どもたちに向けたメッセージを発したいけれど、医療の見地からは100のうち10くらいしか責任が取れないかもしれない、というような言葉もありました。
難しさを感じる一方で、それでも何かメッセージを発することは、とても重要で、意味のあることだという、思いも伝わってきました。
以上です。日々の業務を行う中で、さらに理解を深め、考え、行動することにつなげていきたいと思います。(了)