きずなメール・プロジェクト

お知らせ・ブログNews & Blog

「父親も背負うもの」へのサポートは?

2023年5月19日

こんにちは。広聴チームの三本松です。

きずなメールのコンセプトには、家族など子どもに関わる人みんなで読んでもらい、きずなを深めて欲しいという想いが込められています。ですが、読者の9割が母親で、1割が父親という現状があります。

産後パパ育休が始まり、筆者の周りでも育休を取得している父親の話は聞きますが、では父親への支援はどうなっているのか、全体像が気になります。そんなことを思った矢先、NPO法人 新座子育てネットワーク主催「父親支援フォーラム」を知り参加しました。

国立成育医療研究センター研究所 政策科学研究部 父親支援の研究班の竹原健二氏の「求められる父親支援、父親を取り巻く現状」をZOOMで拝聴しました。

筆者が気になっていた父親支援のいま(全体像)は、一言でいうとまだ道半ばといったところ。竹原氏によれば、父親の支援は先進国でも手探りしている段階であり、好事例がないとのことです。

日本でも、成育基本法に父親の産後うつが取り上げられ、公庫補助事業(自治体が実施する際に国から補助が出る)の「ピアサポート支援」にしても、実施している自治体は少ない印象とおっしゃっていました。

“育児は母親がやるもの”という前提から今の制度設計があり(父親は支援対象になっていない)、父親には家族を養うことが第一に求められます。そこに育児も加わると、量の負担やプレッシャーに押しつぶされる。これらの現状に対して、竹原氏は、社会の仕組みを変えていくことと、今現在困っている人(父親)に専門家がどう手を伸ばしていくか、この2つを考えていかなければとならないとおっしゃっていました。

会には、実際に育休取得したコピーライターの秋葉隆由氏も登壇され、経験談が語られました。

産後の助産師訪問の際、自分も一緒にその場にいたのに、その1時間一度も、父親である自分には目を向けてもらえなかったそうです。信じられないような話でもありますが、十分あり得る話とも感じました。

会の2時間は、本記事には書ききれない量のディスカッションが繰り広げられましたが、筆者が持ち帰った一番の気づきは、父親支援は、まずは父親を支援対象としてみることがスタートということ。

竹原氏からは、「何か一つのプログラムを用意したから父親支援とはならない」といった発言もありました。

団体としても、きずなメール原稿(メッセージ)だけでなく、アンケートや問い合わせの対応など、父親が目線に入っているか、まっさらな目で点検していきたいと思いました。父親にも「あなたのためのもの」というメッセージを発していけたらと思います。(了)

 

カテゴリ
ごとに見る
月ごとに
見る

お問い合わせ

きずなメールの活用・導入について、
その他の内容に関しても、
お気軽にお問い合わせください。

03-6709-6893平日:10時〜16時