きずなメール・プロジェクト

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男の子にもHPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の接種検討を!

2023年4月27日

 

きずなメール・プロジェクトの井上です。

私は、自分が住む自治体の予防接種アプリに登録しています。先日新しいお知らせが届きました。お知らせは息子には届かず、娘にのみでした。お知らせの中身は『2023年4月1日からHPVワクチン9価(シルガード9)が定期予防接種になります』というものでした。

2023年4月より、小学校6年~高校1年相当の女子を対象とした9価HPVワクチンが定期接種化され、また2023年度には26歳になる女性までの広い範囲で、HPVワクチン未接種者への無料キャッチアップ接種(9価含む)が開始されるというニュースを耳にしていたもののピンときていなかったことが、自治体の予防接種アプリからのお知らせでぐっと自分の身に引き寄せられました。

■(厚生労働省より)
ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html

また、予防接種について、男女で異なるお知らせを受けたのは始めてだったので少し困惑したのですが、今回のお知らせには「子宮頸がん予防ワクチン」ではなくて、「HPVワクチン」と表記されている点に興味を持ちました。

少し前に、千葉県いすみ市のニュースを見たからです。HPVワクチンを接種することがパートナーである女性の子宮頸がんの予防につながるだけでなく、男性自身がかかる病気の予防になるとういうことで、いすみ市では4月から、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを男性が接種する際の費用を全額助成するというニュースでした。

男性の接種に対する補助は県内で初めてということでしたが、このように「HPVワクチン」と表記されることで、男女ともに予防効果があるワクチンということが見て取れるようになりました。

■千葉県いすみ市 / 任意の予防接種一覧のページ
男子ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
※ワクチンは、ガーダシル(4価ワクチン)のみ対象。
https://www.city.isumi.lg.jp/isumi_kosodate/kosodate_joho/yobo/5115.html

他の自治体も調べてみると、東京都中野区や青森県平川市でも全額助成をしていました。

■東京都中野区 / 「健康・医療」のページ
※ワクチンは、ガーダシル(4価ワクチン)のみ対象。
男子に対するHPV任意予防接種費用助成の実施
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/407000/d034033.html

■青森県平川市 / 予防接種・検診(健診)のページ
※ワクチンは、ガーダシル(4価ワクチン)のみ対象。
男性のHPVワクチン接種費助成事業について
https://www.city.hirakawa.lg.jp/fukushi/kenshin/2022-0729-1534-39.html

実際に男性が自費で接種を希望する場合、1回あたり2万円弱(全3回で計約5~6万円)の費用が必要ですが、これらの自治体では一定の助成を受けられることになります。

このような男性向けのHPVワクチン接種の費用助成という自治体の取り組みを知り、女性のみがワクチン接種を積極的に検討するのではなく、いずれは性別を問わない共通課題として取り組むことで大きな予防効果につながるのではと思いました。

*****

公衆衛生上の課題としてもう1つ、風しんがあります。風しんは妊娠中の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんに先天異常(先天性風しん症候群)が生じる可能性があると言われています。

ある年代の成人男性における風しんワクチンの接種率が低いことも課題となっています。妊娠中は、予防接種を受けることができないため、妊娠中の女性への風しんの感染を防ぎ、生まれてくる赤ちゃんを先天性風しん症候群から守るためには、パートナーの男性をはじめ周りの方々も風しんに対する免疫(抗体)を持つ必要があります。

風しんの抗体検査も、子宮頸がん検査も妊娠初期に女性が受けるものですが、パートナーである男性にとって、女性の健康はとても大切です。

その意味でも「HPVワクチンの定期接種化」「HPVワクチン未接種者への無料キャッチアップ接種」は、接種するしないに関わらず、そして男性女性関わらず、親と子でその土台となる「接種の意味」を話し合うための準備が大切だと感じました。子どもが自分のからだ・人生を守るために、知識を正しく得て、自分自身で選択し、決められるような時間を持ちたいと思いました。(了)

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