きずなメール・プロジェクト

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「たったひとりの声」を考える。

2023年4月25日

3月からきずなメール・プロジェクトでお仕事を始めました、古屋です。
日々新しいことに驚きながら仕事を覚えている最中です。
私が日々感じたことや驚いたことをこちらで書いていきたいと思います。

 

きずなメールのようなアプローチの方法は「間接支援」と言うそうです。
直接、実際に困っている方に会いに行くのではなく、
必要な情報を届けたり、対応機関にバトンを渡したり、声を集めて集約したり、その結果わかった傾向を大きな機関にフィードバックしたりする、というようなやり方です。

それでも時には、子育ての孤独や不安について、きずなメール読者の方から直接テキストでのお声を受け取ることがあります。

きずなメール・プロジェクトは全員会議の多い職場だと私は感じていますが、こういった読者の方からのメッセージについて、どのように返信するのがよいか、議題に上がることがありました。

全員が参加しているので、そこにはいろいろなグラデーションが生まれます。

団体の舵を大きく取らなければいけない立場、
リスクの回避を考える立場、
文字というツールにできること、できないことを判断する立場、
当事者の方の心に寄り添う立場…

ひとりひとりの中にも様々な立場が同居し、たくさんの答えが生まれては消えてを繰り返しながら、誰にも答え合わせをしてもらえない「正解」に近づくために、議論は重ねられていきます。

私たちにみえる情報は目の前の文字だけ。
そのような少ない情報を前に、全員であれこれ議論し合う様子を見たとき、

「文字しかない」のではなく、「文字はあるのだ」と思いました。

声も、筆跡も、姿形も、曖昧なままで発信することが出来る
「文字」というツールでならば声をあげてみたい、と思ってくれたからこそ、
こうしてたった一人の小さな声が届く。
そしてその声は、他のツールでは聞こえてこなかった声なのかもしれない、と。

全員を引き連れた重々しい一歩を踏みしめ地を這うようにして進む様子はなんだか、不格好で力強い「ハウルの動く城」みたいだと思いました。

様々な視点が混在する会議は時に、思ったようにスラスラと進まないこともあります。
でも、答えのなさに向き合う場はとても貴重なものでした。

声を届けてくださった方にこの会議の場は見えないけれど、言葉の枝葉のささやかな先端に、この軌跡が宿るといいなと感じました。(了)

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