仕事ごっこはおしまい!-チェックイン・チェックアウトのこと②-
3月からきずなメール・プロジェクトでお仕事を始めさせていただいた、スタッフAです。
日々新しいことに驚きながら仕事を覚えている最中です。
私が日々感じたことや驚いたことをこちらで書いていきたいと思います。
前回のブログで「チェックイン」「チェックアウト」のこと、主に「チェックイン」の方について書きました。
今回は「チェックアウト」について考えたことを書きたいと思います。
突然ですが、子どもはなぜあんなに「ごっこ遊び」が好きなのでしょう。
お母さんの真似をしたくてお母さん役をやりたがる、正義の味方になりたくてヒーローごっこをやりたがる、というのはもちろんそうだと思います。
でもそれだけが理由だとしたら、
「私が子ども役ね、ママがお母さん役ね」という、それは役にならなくてもいいのでは…と突っ込みたくなるような子どもの采配には、いったいどのような心理がかくれているのでしょう。
私はここに、「チェックイン」「チェックアウト」に通じる心理があるように思いました。
というのも、子ども役を演じる子どもは、その役の中で何が起きても、
「じゃあ家族ごっこはおしまい!」
で、そこから抜け出すことが出来るのです。
役になっていることで、その内側に「本当の自分」という人格が用意され、失敗しても怒られても、子ども役という外側の人格をはぎとってしまうことができる。
ごっこ遊びは、実は自分が直接傷つかないようにする子どもなりの処世術…なのかもしれません。
これって、大人の世界でもおんなじだと思うのです。
大人の人間関係でも、部長や課長として発した言葉が、受け取った相手との仕事抜きの人間関係そのものに影響しあって、気まずくなったり委縮させてしまうことってありませんか。
これは、ある程度仕方のないことだと思います。
もしも子どもみたいに、「じゃあ仕事ごっこはおしまい!」で課長の人格をはぎ取ることが出来たら…。
「チェックアウト」には、それを実現する可能性があるような気がします。
例えば大事なオンライン会議。場はすっかり熱くなって、侃々諤々、議論百出、怒号が飛び交う大論争になってしまった…お互いに非難しあう場面もあり、すっかり険悪なムード。
そんな中、司会者が言います。
「これで会議は終わります。チェックアウトおねがいします」
すると先ほどまで口角泡を飛ばしていた課長がこう言うのです。
「これから朝焼いておいた米粉パンを食べます」
どうでしょう。これが「チェックアウト」の威力です。
課長という人格の内側に見えた、健康に気を遣うクッキングパパとしての一面に、一同ほほが緩んでしまうこと請け合いでしょう。
特にオンライン会議においては、会議室から出た後に、そういえば今日の会議さあ、とたわいもない会話をしあうこともなかなかありません。急に、たった一人の部屋に戻ってくる。そうすると、相手との空気を馴らす時間が取れず、相手との距離がよくわからないまま関係が途切れてしまいがちです。
チェックアウトがその断絶をなだらかにしてくれるし、だからこそ安心して言いたいことを言い合えるかもしれません。
チェックアウト一つにそれだけの荷を負わせるのはさすがに言い過ぎかとは思いますが、私はこの「チェックイン」「チェックアウト」という作法を、とても興味深く感じました。
ちなみにきずなメール・プロジェクトの会議では、まだ怒号が飛び交う場面には出くわしておりません…。(了)