きずなメール・プロジェクト

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素敵な境界-チェックイン・チェックアウトのこと①-

2023年4月4日

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3月からきずなメール・プロジェクトでお仕事を始めさせていただいた、スタッフAです。
日々新しいことに驚きながら仕事を覚えている最中です。
私が日々感じたことや驚いたことをこちらで書いていきたいと思います。

 

突然ですが、「境界」というものについて注目したことはあるでしょうか。

何かと何かの境目というのは、古来より大切にされてきた概念なのだそうです。

例えば、聖地と俗地を区切るために神社の入り口に鳥居を建てたり、道と道の交わるところにお地蔵さまを祀ったり。

あるいは逢魔が時(おうまがとき)、という言葉を聞いたことのある方も多いかもしれません。
夕方の時間帯のことを指しますが、これも昼と夜の境界だと捉えられています。
「魔に逢う時」という文字通り、妖怪や物の怪たちが夜に向けてこちらの世界へ移動してくる時間帯のようです。

先日きずなメール・プロジェクトのオンライン会議で、素敵な境界を見つけました。
それは会議の前と後に行うちょっとした決まり事なのですが、ビジネス用語では「チェックイン」「チェックアウト」と呼ばれているようでした。

きずなメール・プロジェクトでのチェックイン/アウトは、会議とは全然関係ないことを一人ずつ順番に話していく、というやりかたです。
休日の過ごし方や今日のランチ予定、子育てのこと、日々の中のちょっとした事件や発見…なんでもです。

全員が少しずつ喋り、一回りする頃にはすっかりみんなの話に触発されています。
往来に並ぶ街路樹の春めいた様や、昨晩開いた本の面白い一節など、いろいろなことに思考が飛んで、チェックインをする前とは、明らかに頭の中が変わっています。

やがて全員が話し終わると、
「さて、そろそろ仕事しましょうか」
という言葉が何かの暗示のように響いて、みんなの顔つきが画面越しにもわかるくらいにすっと変わり、会議が始まるのです。

一般的には、話しやすい空気を作るとかお互いのことを知れるという効果があると言われているチェックインとチェックアウト。
オンライン会議に限って考えると、さらなる効果がありそうだと思いました。

オンライン会議では、それまで全く違う景色を見ていた人たちが一瞬のうちに画面越しでつながり、同じ議題に向かい合うことになります。そこへ向かうスピードと言ったら、職場まで徒歩一分どころではないのです。会議室までの道のりは、ボタン一つで約3秒。

きずなメール・プロジェクトのチェックインは、これから会議をともにする人に「私」のことを話します。「私」を「公」に向かって話す、というのは、自分が「公」に出ていく途中の、中間的な行為と考えることができます。

実際に集まって行う会議ならば、通勤路がその役割を果たすのかもしれません。自分とは全く異なる時間の流れを生きている人たちとすれ違い、ゆるやかに影響されながら職場へ向かう時間。
自分の家でも職場でもない場所、という意味では、通勤路は引き延ばされた境界です。

そう考えるとチェックインは、「会議室」と「私の部屋」の間に特別な通路を開く儀式のようにも思えてきます。
特別な通路を渡っていくことで、離れた場所にいながらにしてしっかりとその場へ集合することができ、今日もまた、「さて、仕事をしましょうか」の声で、まるで呪文のように会議室への扉が開くのです。

さて、会議が終わった後にはチェックアウトがあります。
退室前に仕事とは関係のないことを一人一言ずつ喋って、終了となります。入ったのだから出ていかねば、というわけです。
今日は主にチェックインの話になってしまいましたが、チェックアウトにもまた、奥深い秘密があるような気がしています。次回はそのことについて書いてみたいと思います。(了)

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