公開勉強会開催の報告と感想「多様な家族を支える福祉のこれから~子どもの権利としあわせとは」
【公開勉強会開催の報告と感想】
きずなメール・プロジェクトの石川です。先日行った公開勉強会のご報告です。
今年度の取組として、多様化する子育て家庭を知ることが団体にとって重要と考え、子育て支援や子ども家庭福祉に携わる専門家の方を招いて勉強会を開催しています。
第二回目は、青山学院大学 コミュニティ人間科学部 教授 横堀昌子先生をお招きして、「多様な家族を支える福祉のこれから~子どもの権利としあわせとは」についてお話いただきました。
第一回目(社会福祉法人二葉保育園 二葉乳児院 院長 都留先生をお招きして、「社会的養護の現在と地域で子どもを迎えて育てること」)と同様、団体外からも多くのお申込みをいただき、当日はスタッフを含めて30名の方にご参加いただきました。
先生のお話の内容とその性質から、今回の録音・録画はなしとなり、その場1回限りの貴重な機会となりました。以下は担当である私の感想となりますが、ご覧いただけると幸いです。
【担当からの感想】
講演では、「家族」にはさまざまな捉え方があること、支援者として実践的な物事の捉え方・かかわり方までを幅広くお話くださり、濃厚な時間となりました。以下、私なりのトピックスです。
・居場所がある=自分の存在に意味があると確認できること
・家族の多様性:血縁の関係から「意思」の関係へ
・親と子の生活や関係性の多様化
・強み(ストレングス)をみつけて伝え合うサポート(ともに真の課題に向かうため)
・自分が大丈夫と思えて初めて他者に向かうことができる
・「ほどよい」母親
『福祉』・『権利』と聞くと難しい遠いもののようなイメージを持つ人が多いですが、横堀先生のお話をうかがっていると、身近なものだと感じられました。
インターネットで、『福祉』という言葉を調べると、「しあわせ」と出ます。『権利』と調べると、「資格・能力」と出ます。
「子育て」「親育て」という表現がありますが、親子関係は人間関係の基盤であり、人とつながり合いながら一緒に作っていくものであり、「地域」は大人も子どもも「育っていく」「育ちあう」場なのだと感じました。また、「比較不安」ではなく、お互いの強みでつながり合うこと、寄り添い合うことこそが、福祉であり人間のもつ権利なのではと考えました。
今回この勉強会で集った30名は、保育士・行政職員・大学教授・障害児相談支援専門員・教員、様々な角度から子育て支援に取り組む方たちでした。第一回目から引き続きご参加くださった方も複数いました。子育て支援に取り組む、同じ課題感を持つ者同士でつながり、多角的な視野で、それぞれがやるべきことを実行していく。
地域と個人をつなぐ一つの役割としてのきずなメール事業が、結果として福祉の中の一つとして位置づけられていれば幸いです。
引き続き、このような会を企画して学びを深めていきたいと思います。講師をしてくださいました横堀先生、参加してくださいました皆様、心からありがとうございました。