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青山学院大学 コミュニティ人間科学部 教授 横堀昌子先生 一問一答「子育て応援の「入り口」、ベーシック・パッケージのひとつとして、この取り組みが社会に知られ、理解されることが必要」

2022年10月11日

きずなメールが子育て支援のセーフティネットとして機能するために、【児童福祉の視点から見たきずなメールの役割】を位置付けていく必要があります。そこで、職員の関わりのある児童福祉の専門家の方々を招いての勉強会を開催しています。今回、第二回目でご講演いただいた横堀昌子先生に、下記3つの質問にお答えいだきました。

Q:子どもを取り巻く環境で感じていること

A:コロナ禍長期化もあり、家庭をひらき他者や子育て資源とつながる困難が広がっているように感じます。子育て家庭の経済的課題、人間関係・ケアされる体験の不足等が格差として色濃く現れ、子どものチャンスを奪いがちな構造的課題についても、心配と課題意識を深めています。家庭のありようによって子ども時代と将来が決まるかのような社会への危機感を従前よりも強く感じ、自分自身ができることを模索し続けています。

Q:児童福祉の視点から見たきずなメールの役割

A:とくに親になりたての方たちに、子ども理解につながるようなヒントとともに「いつも見守り、応援してますよ」「だれかと(どこかと)つながりながら子どもも親自身も育んでいきませんか」といったメッセージが具体的に、ダイレクトに伝わる点に、活動の意義があると考えます。また、「孤育て」を超えて親と子が地域の社会資源に何かしらつながれるよう、工夫を添えておられる点にも、関係者の願いを感じます。親が支えられて得る安心と安定が、じんわりと、しかし確かに子どもに届くことになると思いますので。

Q:これからのきずなメールに期待すること

A:経済的課題がある家庭も、他者とのかかわりに苦手意識をもつ親も、スマートフォンは命綱のように持っているのではないかととらえています。そこで、よりたくさんの家庭が、言葉に宿る思いを受けとり、その日を生きる力にしていけるといいですね。そのためには、子育て応援の「入り口」、ベーシック・パッケージのひとつとして、この取り組みが社会に知られ、理解されることが必要と考えます。自治体や関係者との協働はこの先も要といえるでしょう。子どもや家族の支援に取り組む者の一人としましては、「多様な生きづらさを抱える親・家庭」を支える観点からも、さらに内容を福祉的に充実させてくださるとありがたいです。さしこむひと筋の言葉の光に照らされ、子どもとその親の今日と明日がつながっていくために・・・。

 

★横堀 昌子 氏 プロフィール

群馬県出身。児童養護施設職員だった両親のもとに生まれ、施設の子どもたちと育つ。1982年に両親が設立したファミリー・グループホーム横堀ホームにて、里親委託をはじめ多様な背景をもつ子どもや大人と暮らす。大学院修了後、児童養護施設東京育成園、横堀ホームで働き、青山学院着任。青山学院女子短期大学教員を経て、現在、青山学院大学コミュニティ人間科学部教授。専門は子ども家庭福祉。厚生労働省や自治体の委員、里親支援専門職チームのスーパーバイザー等を務めている。

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