きずなメール・プロジェクト

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「きずなメール事業」導入を検討される自治体の皆様へ ~子ども・子育て支援交付金(利用者支援事業)の紹介~

2022年8月9日

政策企画提案チームの西川です。きずなメール事業は、「複数専門家によって制作監修されたテキストメッセージによるセーフティネット」です。対象市民に登録し読み続けてもらって、アンケート等で声を聴いて、それを自治体や国の施策に反映する、までがひとまとまりの事業です。
こうした大きな仕組みを機能させるには、相応の財源が必要です。その財源のひとつが国の交付金です。きずなメール事業を実施するにあたり、利用できる交付金を複数回でお伝えしていきます。第1回目は、「子ども・子育て支援交付金」と「利用者支援事業」です。
「子ども・子育て交付金」は2012年公布の「子ども・子育て支援法」の枠組みのものです。「子ども・子育て支援法」で指定されている13事業に対して出されます。13事業の中のひとつが「利用者支援事業」です。

「子ども・子育て支援交付金」について
【概要】市町村子ども・子育て支援事業計画に基づいて実施される13種類の対象事業の実施を支援するもの。
【実施主体】 市町村(特別区含む)
【補助率】 1/3 (都道府県:1/3、市町村:1/3)
※ 従来の指定都市及び中核市を対象とする費用負担の大都市特例(都道府県に負担を求めず全額市負担とする仕組み)に ついては廃止。 ※ 執行については内閣府において実施
【対象事業】①利用者支援事業【一部新規】 ②延長保育事業【一部新規】 ③実費徴収に係る補足給付を行う事業【新規】 ④多様な主体の参入促進事業【一部新規】 ⑤放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ) 【一部新規】 ⑥子育て短期支援事業 ⑦乳児家庭全戸訪問事業 ⑧養育支援訪問事業 ⑨子どもを守る地域ネットワーク機能強化事業 ⑩一時預かり事業【一部新規】 ⑪地域子育て支援拠点事業 ⑫病児保育事業 ⑬子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・ センター事業
出所:平成27年度予算編成における子ども・子育て支援新制度関連予算について(平成27年1月15日) 別添資料3 (cao.go.jp))

まだ国の施策に入っていないきずなメール事業を、単独では申請できません。ですので、きずなメール事業導入済み自治体のうち複数の自治体が、【利用者支援事業】の情報提供として申請しています。ではその利用者支援事業とはどんなものでしょうか。 

【利用者支援事業】とは、
目的:専門職員が利用者と一緒に考え、子どもや保護者、妊娠中の方の相談に個別に対応し、安心して子育てができる環境を構築する。

役割:一家庭ずつ個別の家庭ニーズを把握し、適切な施設や事業等をスムーズに利用できるよう支援する。
実施主体となるのは市区町村ですが、市区町村が認めた者へは委託等も行える。
(出所:利用者支援事業とは?【自治体事例の教科書】自治体通信オンライン (jt-tsushin.jp)

市区町村の子ども・子育て支援事業計画では、地域全体を捉え、子育て家庭の潜在的なニーズも含め需要を見込み、多様な施設や事業を供給します。
一方で利用者支援事業は、一家庭ずつ個別の家庭ニーズを把握し、適切な施設や事業等をスムーズに利用できるよう支援するの役割です。
この両輪があって初めて地域の子育て家庭に適切な行政サービスを行うことができるようになります。

自治体きずなメール事業×利用者支援事業について

(出所:厚生労働省HP 利用者支援事業概要からスライド 1 (mhlw.go.jp)

きずなメール事業は、「複数専門家によって制作監修されたテキストメッセージ」です。妊娠初期~生後100日までは毎日、1歳の誕生日までは3日に1日、2歳の誕生日までは週1回程度、3歳の誕生日までは2週間に1回程度のペースで配信されます。「子育てきずなメール」の内容は7つの視点で構成されています。

①保護者の心身の健康管理
②赤ちゃん(子ども)の成長と発達
③赤ちゃん(子ども)の生活習慣
④赤ちゃん(子ども)の病気とその対応、ホームケア
⑤赤ちゃん(子ども)の予防接種、乳幼児健診
⑥乳幼児を持つ家庭における事故予防
⑦保護者への子育て応援アドバイス

自治体の支援や相談窓口、交流の場の情報を一日ごとの成長に合わせた情報と組み合わせて、「SNSを活用したプッシュ型の情報提供」でタイムリーに、確実に当事者に届けます。読み手の不安軽減や知識向上だけでなく、行政と住民をつなぐ架け橋の役割を担います。

「利用者支援事業」の情報提供としての位置づけで、きずなメール事業を申請しています。きずなメール事業は読者の声を聴く仕組みが3つあります。(※対応は自治体ではなく、きずなメール事業スタッフが行います。内容によって自治体と連携することもあります。)

(1)広聴の機会

年に1回の読者アンケートで広聴機会を設けていて、妊婦さんや子育て当事者の生の声を聞く機会があります。子育て計画の振り返りをする機会になるだけでなく、子育て環境の現状と当事者のニーズを把握することができます。

(2)問い合わせフォーム

日々配信しているテキストメッセージ下部には、問い合わせフォームを設けており、いつでも質問や相談を送ることができます。

(3)お誕生日メッセージ

お子さんの1歳、2歳、3歳のお誕生日には、お祝いのメッセージをお届けしています。その際、「良かったらこれまでの感想等をお寄せください」とお伝えしており、読者の方はお祝いの日をきっかけに、これまでの感想や日々の思いを、送ることができます。

 

これらの「声を聴く仕組み」により、情報提供だけでなく、行政と利用者をつなぐ、機能一体的なコミュニケーション設計になっています。

 

まとめます。きずなメール事業が利用者支援事業としてできることは、
①PUSH型の情報発信
→市の子育て支援施設が住民に広く周知できます。

②行政と住民をつなぐ架け橋に。
→ニックネームと出産予定日・お子さんの誕生日を登録するだけで、必要な時に必要な支援が受けられるように、「弱いきずなでつながり続けます」

③利用者の声が届きます。
→読者アンケート、問い合わせフォームがあるので、住民のニーズの把握と広聴機会ができます。

④リアルコンタクトポイントになります。
→母子手帳交付時・母親・父親学級の時に、チラシなどを手渡しながら直接声をかけて登録を進めることは、それ自体が住民への自然なコンタクトポイントになります。 

つまり情報提供だけではなく、自治体と住民をつなぐ機能一体的なコミュニケーション設計です。さらに詳しいことは、次回に説明します。

最後になりますが、記事作成にあたりヒアリングに応じてくださった自治体担当者、厚生労働省、静岡県庁の皆様、ありがとうございました。この記事は、皆様のご協力で作成することができました。深く感謝申し上げます。(西川)

 

参考資料:
内閣府HPから
平成27年度予算編成における子ども・子育て支援新制度関連予算について(平成27年1月15日) 別添資料3 (cao.go.jp)

厚生労働省HP 利用者支援事業概要から
スライド 1 (mhlw.go.jp)

自治体通信
利用者支援事業とは?【自治体事例の教科書】 – 自治体通信オンライン (jt-tsushin.jp)

注1:自治体の子育て相談を受け付けている施設を拠点注1として、情報提供の位置づけで申請しています。ある自治体のヒアリングでは、申請の基準を満たすためには、要件を満たしている施設であること、相談を受け付けている市の管轄の施設であることが重要とのことでした。

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