きずなメール・プロジェクト

お知らせ・ブログNews & Blog

海外でも「チャイルド・ペナルティ」(子育て罰)…韓国の非営利団体Root Impact(ルートインパクト)にお話をうかがいました。

2025年6月3日

きずなメール・プロジェクトの井上です。

団体では現在「きずなメール基金」にシャネル財団から資金支援をうけ、日本の子育てにおけるGender equalityを推進しています。

特に男性読者を増やし、Gender equalityのメッセージを組み込み、子育てにおけるGender equalityを促進することを重要視しています。

男性も女性もその家族も読者に加わることによってセーフティネットを拡大し、社会が新しい命の誕生を「おめでとう」で祝う世界を目指しています。

* * *

”子育てにおけるGender equalityを促す”という観点で、「マタニティきずなメール」のリニューアルのための取り組みを進めていますが、gender qualitiy を他の団体ではどうとらえて活動に反映させているかを、韓国の非営利団体Root Impact(ルートインパクト)にうかがう機会がありました。

Root Impactは、韓国で社会環境問題解決を目指す非営利団体です。コミュニティのインフラおよびエコシステムの構築、非営利人材の育成および能力強化プログラム、フィランソロピー基金の運営など、ソーシャル・インパクトを推進するチェンジメーカー (changemaker)を支援することで、持続可能な未来を創造することを使命としています。

男性と育児との関わりについて、下記のようなテーマでディスカッションを行いました。

* * *

Q:
―日本では、自治体や分娩施設などが主催する「親になるための研修プログラム」(両親学級)に参加することを通じて、男性も女性も妊娠、出産、育児について学んでいく機会があります。韓国ではどうでしょうか。

A:
―韓国にも日本のように自治体が実施する両親向けの教育プログラムがありますが、数はあまり多くなく、両親が妊娠や育児について学ぶ機会はあまりないと思います。

韓国では出産や育児で職場を離れる女性が多く、子どもを持つ女性がキャリアの中断を余儀なくされる「チャイルド・ペナルティ」(子育て罰)の問題があります。子育て中にキャリアを中断したり、キャリアアップが遅れたりする女性の現状を表現した言葉です。韓国では、少子化対策として、子育て中の女性のキャリア支援が重要視されていて、これに対し、私たちRoot Impactは、包摂的な組織づくりを目指して活動を行っています。

① 職場内託児所 (デイケアセンター)
働く親が子どものケアとキャリアを両立できる職場環境を整備することを目的に、11の組織がコンソーシアムを組んで運営する託児所を職場の近隣に設置することで、親たちがキャリアを維持しながら働き続けることを可能にしました。

② キャリア保有女性という考え (キャリアの再起動)
出産や育児で職場を離れる女性の復職をサポートするために、「キャリア中断」という表現から「キャリア保有女性」という新しい概念を普及させることで、国の制度の変化を促しました。

「キャリア保有女性」という言葉を使っているのは、育児によってキャリアが中断されたという認識が一般的にある中で、実は育児そのものもキャリアの一部であるという考え方に基づいているためです。また、職場を離れた女性に対し研修を提供し、実際にキャリアアップを伴う職場で活躍している実例が多くあります。

③ 職場文化の改革を目指した研修 (DEIラボ)
組織のリーダーや人事担当者を対象にしたDEI(Diversity:多様性、Equity:公平性、Inclusion:包摂性、の頭文字を組み合わせた言葉)文化の重要性や、インクルーシブな職場環境を作るための具体的な方法を学ぶ場を提供しました。
――――――――――――
以上のように、gender equalitiyを実現するために、子育ての”メジャーレスポンシビリティー”は母親という考えを、上記の取り組みを提供することによって、父親母親間での”シェアレスポンシビリティー”に変化させていく取り組みをされていました。(了)

カテゴリ
ごとに見る
月ごとに
見る

お問い合わせ

きずなメールの活用・導入について、
その他の内容に関しても、
お気軽にお問い合わせください。

03-6709-6893平日:10時〜16時