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子どもの月齢1歳以降「体調の良い養育者」が減る理由とは?

2022年9月27日

広聴チームの三本松です。今年7月の「きずなメール導入自治体 情報交換会」で広聴チームからは、2021年度の「統合データ」(※1)クロス集計で見えてきた傾向を3つ紹介しました。そのうちの1つ、養育者の体調は、「体調が良い」と答えたグループの割合が、子どもの月齢が1歳0か月を超えると減少傾向になること』について本記事でも取り上げます。
※1「統合データ」:きずなメール事業で実施している各自治体での読者アンケートを合算して集計したもの。2021年度は23自治体の読者アンケートを合算集計した。回答者数は妊娠期N=952、子育て期N=6,690。

回答数:N=4,665 実施期間:2021年6月~22年2月まで 回答属性:生後1日~2歳11カ月の子どもがいる養育者

このグラフは、「(アンケート回答者に)あなた自身の体調はいかがですか?」の回答結果と、「お子さんの月齢を教えてください。」の回答結果をクロス集計したものです。集計前、広聴チームでは「産後の体調は少しずつ良くなる/(もとに)戻ってくる」と思っていたので、意外な結果となりました。

「意外」と感じた理由を知りたくて、先の問いで「よくない」「あまりよくない」を選択した方から寄せられた自由記述を分類して傾向をみてみました(上記グラフでも「よくない」「あまりよくない」も0歳代よりも1歳代が多い。)

自由記述279回答(母親95.7%、父親4.3%)内容をお子さんの月齢別に整理したのが以下の表です。

【この表から見て取れること】
・睡眠不足や体の疲れ、倦怠感を書かれたものは、どの月齢でも圧倒的に多く、4割~5割強。
・「痛み」について書かれたものは、0歳前半がピークで、0歳前半では産後の身体(会陰切開の傷、腰痛、腱鞘炎など)によるものが主。
・精神面の辛さやストレスを書かれたものは、ばらつきはあるものの、どの月齢でも一定数ある。
・第二子妊娠のつわりという記述が少ないながらも一定数ある。
・風邪や病気(精神以外を分類)は、主にアンケートの時期に風邪をひいていたケースだが、一部病気が発症、持病が悪化したケースも含む。


整理することで、産後の体調がすぐれない方の実態がおぼろげながら見えてきたように感じます。少ないながらも第二子によるつわりをわけてカウントしたのは、つわりは周りに理解されにくい(家族に理解してもらうのも難しい)面があるからです。保育園等に預けている場合はまだしも、つわりの症状がある方が自宅で1、2歳の子をみるのは、かなりの負担です。就労に関わらず、気軽に、身近に、預けられる行政の支援の必要性を感じました。施策としては一時保育、ショートステイになるかと思いますが、子ども家庭庁の発足により無園児の議論もあるので、注目です。

それから、社会的に出産直後の母親の声を聞きサポートする施策は年々増えては来ていますが、月齢1歳以降の母親父親に「体調はいかがですか」とストレートに聞く機会がそもそも少ない、という面も見逃せません。きずなメール事業の広聴アンケートはこうした声を聞く機会になっています。アンケートで明らかなになった子育て環境・状況を自治体や社会に届けていくことで、子育て支援策の充実につなげていきます。(了)

 

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