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【抄録公開】「子ども虐待の未然防止のための「テキストメッセージング」による介入研究」(一般社団法人日本子ども虐待防止学会第27回学術集会)

2025年10月31日

NPO 法人きずなメール・プロジェクト(東京都新宿区)は2021年12月、一般社団法人日本子ども虐待防止学会主催の第27回学術集会かながわ大会(テーマ:誰ひとり取り残さない~思いをカタチに~)にて、「子ども虐待の未然防止のための「テキストメッセージング」による介入研究」について口頭発表を行いました。
★発表の抄録を、同学会及び神戸市の許諾を得て、以下公開いたします。★

 

子ども虐待の未然防止のための
「テキストメッセージング」による介入研究

【目的】
厚生労働省「子ども虐待による死亡事例の検証結果等について」第14次報告では、女性健康支援センター、子育て世代包括支援センターの設置促進とともに「その機能を発揮するためには、子育て世代に確実に情報が届くよう、例えば、ホームページやSNSの活用など広報手段・方法を工夫することが重要である。」とある。本研究は、従来にない「工夫」により子ども虐待未然防止の新たな可能性を探るものである。

【方法】
「テキストメッセージング」を用いる。兵庫県神戸市の事業として、同市の妊産婦とその家族に向けて、胎児の発達や育児アドバイス等の情報を複数医師と共同制作した原稿「きずなメール」を軸とした「神戸子育て応援メール」というメールサービスを、同市の希望者に向け配信。後日、登録者5,706名にアンケートを依頼し、1,073名から回答を得た。

【結果】
メールサービスの満足度は9割以上。出産後の読者のうち「不安な気持ちが やわらいだ」が44.5%だった。また自由記述として、「ちょうど我が子が患っている症状や発育の悩み等に、そのような内容をタイムリーに発信して頂いている為、悩みが和らいだことが幾度かありました。感謝しています」(赤ちゃんの父親)、「初めての子育てで分からないことだらけでしたが、定期的に今の状況にぴったりのメールが届くのは、一冊育児本を一気に読むよりもずっと自分に合っていました。本当に心強くてありがたかったです。夫も登録して、届くたびにメールの話題になるのでお互いの考えを話すきっかけとしてとても良かった」(赤ちゃんの母親(1人目),30代)などの回答が複数寄せられた。

【考察】
専門家が制作した原稿と、メールやSNS等のICT技術を組み合わせた「テキストメッセージング」は子ども虐待未然防止を目的としたポピュレーションアプローチとしての可能性を秘めている。この方法の社会的認知を高めるとともに、さらなる研究と効果検証を推進する。

 

わたしたちは、引き続き読者の声に耳を傾けながら、妊産婦・パートナー・ご家族など皆さまの心に寄り添った「テキストメッセージング」の可能性を信じて、これからも活動を続けてまいります。(了)

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