きずなメール・プロジェクト

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AVPN 北東アジアサミット2025に参加しました。

2025年4月30日

きずなメールの井上です。

2025年4月23日(水)、アジア最大のインパクト投資やベンチャーフィランソロピーに関するカンファレンスであるAVPN 北東アジアサミット2025に参加しました。

※2024年に開催された「AVPN Global Conference 2024」の様子。

※AVPN(Asian Venture Philanthropy Network)は、アジア最大の社会にインパクトを生み出す資金提供者によるネットワークです。(金融庁サスティナブルファイナンス室長講演「日本におけるインパクト投資の取り組みについて」。日本におけるインパクト投資残高は2024年で17兆円)

きずなメールは現在「きずなメール基金」にシャネル財団から資金支援をうけ、日本の子育てにおけるジェンダー平等を推進しています。資金は「孤育て」の予防および、子育てにおけるジェンダー平等を実現する一連に施策に充てられます。それに向けて、私たちは下記の指針を掲げて活動しています。

【きずなメール・プロジェクト】
テキストでつながり続けるセーフティネットで孤独な子育てを防ぐ

【グローバル目標】
「子育ては母親の責任」という常識を変え、子育てにおける男女平等を実現することを目指します。妊娠、子育て、子どもと親の健康と幸福に関する知識と情報を共有することで、孤立した孤独な子育てを防ぐことを目指します。そうすることで、社会のセーフティ ネットを拡大し、強化します。

【主な活動】
きずなメール ・プロジェクトは、テキストメッセージを小さな一口サイズの情報 text messages as small, bite-size information  とサポートとして活用するコミュニケーションデザインを通じて、孤立した子育てを防ぐことを目的としています。励ましと実用的な知識 encouragement and actionable knowledge  を継続的に提供することで、親が子育てにもっと積極的に関わることができます。

きずなメール ・プロジェクトは、専門家の監修のもと、入念に作成されたテキストメッセージを毎日親に送信し、妊娠、子育て、親の健康と幸福に関する重要な情報を提供し、社会的なセーフティネットを構築します。 きずなメールは、妊娠期間のマタニティきずなメールと、出産後3歳の誕生日までの子育てきずなメールの2つのフェーズで構成されています。

2024年3月末現在、きずなメールは、北海道から九州までの33の自治体、2つの産院、そして当社のウェブサイトを通じて配信されています。2024年現在のAU(アクティブユーザー)数は6万人、2024年の年間売上高は6900万円です。

【対象者】
きずなメールの対象者は、妊娠・出産を控えたnew parentsとそのご家族(祖父母など)です。妊娠がわかってからきずなメールに登録し、子どもの3歳の誕生日まで毎日きずなメールを受信し続けることができます。

つながり続けるセーフティネットのアプローチは、スティグマを回避して、支援が必要な、かわいそうな人を作らない特徴があります。

【背景】
日本は、伝統的なジェンダー規範に根ざした児童虐待率の高さと親の孤独に苦しみ続けています。 2022年の児童虐待件数は過去最多の219,170件に上り、その半数以上が「心理的虐待」で、特に「家庭内暴力を目撃する」など、親同士の対立に巻き込まれるケースが目立っています。当団体の調査では、0~2歳児の親の約3割が子育て中に孤独感を感じていることがわかりました。

日本では未だに「育児は母親がするもの」「男性は一定の役割を担うもの」という社会規範が根強く残っています。テキストメッセージを通じて、こうした古い規範を変え、親の孤独感を和らげるサポートができると考えています。

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AVPN 北東アジアサミット2025に参加した理由のひとつとして、孤独な子育ての防止やgender equalitiy にもとづいた子育ての実現の取り組みを進めるうえで知りたいことがたくさんありました。

たとえば、gender equalitiy を他の団体ではどうとらえて活動に反映させているか、また、その活動の成果を測定する方法はどのようなものなのか、という点について、新しい視点を得るために下記のトピックについての情報交換をしたいと考えていました。

下記のうちいくつかは今回のサミットでの情報交換することができました。この取り組みは、引き続き様々な場所で続けていきます。

①男性が育児に関わる度合いについて、下記のようなテーマでディスカッションする。
例:
・日本では、自治体や分娩施設などが主催する「親になるための研修プログラム」(両親学級)に参加することを通じて、男性も妊娠、出産、育児について学んでいく。他の国ではどうか。
・男性の産後うつへの支援はあるか。
・男性はどんなタイミングで「父親になる」ということを体感するのか。

②子育て当事者が、子育てに関する情報やノウハウを、どんなデジタルデバイス、ITサービスで、アプリで、どのように得るのか、の情報交換をするか。

③マタニティきずなメールの英語版の原稿をレビューしていただく。それをもとにディスカッションする。

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多くの人が登壇したサミットで今回私が一番共感したのは、「一人一人では小さな活動かもしれないけれど、複数の人たちが集まると大きなインパクトを生むことができる。その大きなインパクトで社会をより良い方向に進めていきたいと思った人たちが、このようにたくさんいることが、自分を大変勇気づけてくれた」という挨拶でした。

方法は違うけれど、同じ世界を目指したい人、団体、組織とのつながりは、自分たちの活動を客観的に考えるうえでとても大きな刺激を与えてくれました。(了)

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