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日本は「子育てしにくい国」~閣議決定された「こども未来戦略方針」を読んで。

2023年8月23日

広聴チームの三本松です。

6月に閣議決定された「こども未来戦略方針」を読みました。
1ページ目の「こども・子育て政策の基本的考え方」の冒頭には“少子化は、我が国が直面する、最大の危機である。”とあり、2030年までに少子化トレンドの反転が分岐点で、このラストチャンスにやるべき方向性が記されています。具体的な政策として、今後の3年間の集中的な取組、「加速化プラン」と銘打たれているものが載っています。妊娠・出産、子育て、仕事との両立、福祉…様々なところにかかる取組で、若者や子育て世帯には身近な話かと思います。(分厚くもなく読みやすいので、ぜひご覧ください)

資料には、少子化の背景について書かれた以下の文章があります。

以下の3点には、

(1)若い世代が結婚・子育ての未来展望を描けない
(2)子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がある
(3)子育ての経済的・精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在する

とあり、きずなメールのアンケートに届く声にもこうした子育てしづらい社会環境、経済的・精神的負担感についての声は多く届いています。

実際の声を紹介します。きずなメールを導入している自治体で年に一度実施するアンケート(子育て期)より、「現在子育てをしながら、子どもが生まれる前には「想定していなかった」「知らなかった」ということがありましたら、ぜひお書きください。」という設問に自由記述形式の回答です。

* * *

■子どものお世話の仕方について、ほとんど知らないまま、産院を退院して、子どもとの生活に入ること。大変戸惑いました。(子どもの母親(1人目)、30代前半、0歳0か月-0歳5か月)

■こんなにも手続きが多くて、やることが多いのは想定していなかった。子供を連れて外出することのハードルの高さも実感している。(子どもの母親(1人目)、30代前半、0歳0か月-0歳5か月)

■覚悟はしていたつもりだが、子育てをしながら働くことへの不安が強くなった。現在は産育休中なので比較的ゆとりをもって生活できているものの、職場へ復帰すると果たして生活が成り立つのだろうか?と思う。(子どもの母親(1人目)、30代前半、0歳0か月-0歳5か月)

■外出のしづらさは想定していなかった。家の周りは坂が多く、ベビーカーでも抱っこ紐でも移動の負担が大きい。最寄りのショッピングセンターのスーパーやパン屋も狭かったり、授乳室がなかったりと、子育てしだしてから不便さに気がついた。(子どもの母親(1人目)、30代前半、0歳0か月-0歳5か月)

■夫が思っていたより仕事がハードになってしまい、助けを求めにくい。言えば仕事を休めると言っていたのに無理。自分の仕事復帰のタイミングが全然掴めない。(子どもの母親(1人目)、30代後半、0歳0か月-0歳5か月)

■単体児と多胎児を育ててみて、オムツとミルクの消費量が全然違うと知りました。その2種類で月に5万円ほどかかっています。助成が少しでもあったらと感じました。(子どもの母親(2人目以上)、30代後半、0歳0か月-0歳5か月)

■保育園にこんなに入りにくいと思ってなかった(子どもの母親(1人目)、20代後半、0歳6か月-0歳11か月)

■こんなにお金がかかると思いませんでした。(子どもの母親(2人目以上)、20代後半、0歳6か月-0歳11か月)

■妊娠出産にかかる費用が想像以上に多大であること。出産後も教育費など、ぴんきりですがすごい額のお金がかかり、3人以上産む選択は難しいと感じることは当たり前だとようやくわかりました。(子どもの母親(2人目以上)、30代後半、0歳6か月-0歳11か月)

* * *

先の資料内に、他国との比較もありました。

筆者自身も5歳の息子が一人いますが、これには愕然としました。なんとかやってきたが、やっぱり・・・そうだよね・・・と嘆く気持ちではありますが、加速化プランの中身はすべてが実現したらいいだろうなと感じるものですので、期待したいです。

きずなメールも、子育てにやさしい社会づくりに貢献できるよう地道に取り組みたいと思います。(了)

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