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学校に行くことだけが答えではない。不登校支援の変遷/第30回編集会議

2026年2月19日

コンテンツグループの荻原です。

きずなメールは「テキストでつながり続けるセーフティネット」です。
2025年2月2日現在、6万3037人の読者の方とつながり続けています。
より長くつながり続けるために現在、18歳までの「学童期・思春期メッセージ」をブラッシュアップするための編集会議を、オンラインで月1回、開催しています。
第30回の2月10日は、5名の医師と、5名のきずなメールスタッフが参加しました。

学校にいけない子ども

今回は、「子どもの権利」の視点から弁護士の方にレビューをいただいた結果を踏まえて、医師たちとの検討を進めました。

 

【コンテンツ担当の思索録】「学校に行くことだけが答えではない」不登校支援の変遷

今回の議論の中で印象的だったのは、不登校の原稿についてのやりとりです。

「不登校は問題行動ではない」「今は学校に行くことだけが答えだけではない」といった内容を検討していた際に、医師から「それまでは学校にとりあえず戻そうという方向だった。これはターニングポイントだった」という言葉があり、興味を持ちました。

このターニングポイントがいつだったのか気になり、調べてみました。

 

①「不登校は誰にでも起こりうる」1992年の文部省報告書。

まず、1992年に文科省(当時は文部省)の方針として大きな転換があったことがわかりました。
古い資料なので原文をネット上で見つけることはできませんでしたが、「学校不適応対策調査研究協力者会議報告」の中で、それまでは本人や親の問題とされていた不登校(当時は登校拒否)が、「どの子にも起こりうるものである」と見直されたことが大きなターニングポイントのようです。

 

②「学校に行くことだけが答えではない」2016年の教育機会確保法。

法律上の大きな変化は、2016年に「教育機会確保法」が施行されたことが大きなポイントだということを改めて知りました。
施行されたときに出された「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」という文書の中で、

・取り巻く環境によっては,どの児童生徒にも起こり得ること
・不登校とは,多様な要因・背景により,結果として不登校状態になっているということであり,その行為を「問題行動」と判断してはならない。
・不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではない

といったことが述べられていました。

 

③まとめ

「不登校」は、以前は「登校拒否」と呼ばれていたことがわかりましたが、さらにその前は「学校恐怖症」という呼び方もあった、とされていて、「病」として捉えられていた時代があったことに、驚きを感じました。

言葉が変わってから人の意識が変わるまでには長い時間がかかるものと思いますが、90年代に始まった下地づくりが、2016年に法律として明文化された流れをイメージすることができました。

編集会議の場でも、不登校について医師たちの関心はとても高く、いま必要とされているトピックなのだと感じています。
また子どもの権利の視点から原稿を見ていただいた山下先生からも、不登校の原稿に対して多くのコメントをいただいています。

現在、「学童期・思春期メッセージ」の中では「不登校」という言葉を使ってこのトピックを扱う原稿は2本入っています。
多様で複雑な問題を、限られた文字数の中でできる限り語弊を生まない表現で伝えていくことには難しさがありますが、丁寧に向き合いながら一歩一歩、このトピックの内容を充実させていきたいと考えます。(了)

 

【参考URL】
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1375981.htm
https://www.mext.go.jp/content/20231018-mxt_syoto02-000021384_0010.pdf
https://nara-wu.repo.nii.ac.jp/records/2001126
https://www.children-env.org/magazine/blogs/blog_entries/view/10/f41ea08d54ba8528269066b96b3a3cc1

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