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第28回編集会議/「子どもの権利の専門家」からの新しい視点

2026年1月6日

コンテンツグループの荻原です。

きずなメールは「テキストでつながり続けるセーフティネット」です。
2025年11月30日現在、6万2570人の読者の方とつながり続けています。
より長くつながり続けるために現在、18歳までの「学童期・思春期メッセージ」をブラッシュアップするための編集会議を、オンラインで月1回、開催しています。
第28回の12月9日は、4名の医師と、5名のきずなメールスタッフが参加しました。

今回は、前回に引き続き「子どもの権利」の視点から弁護士の方にレビューをいただいた結果を踏まえて、医師たちとの検討を進めました。

その他、学会参加などの活動報告やアンケートで読者から届いた声についての検討などを行いました。

 

【コンテンツ担当の思索録】「子どもの権利の専門家」からの新しい視点

今回は「子どもの権利の専門家」とのアップデートについてご紹介します。

■なぜ「子どもの権利の専門家」に見て欲しいと感じたのか

「学童期・思春期メッセージ」を「子どもの権利の専門家」に見てほしいと感じたのは、子どもの育ちを支える保護者(親)向けの原稿だからこそ、「こどもの権利」を尊重したいという思いからです。また、親世代が子どもだった頃に、「子どもの権利」というものが社会に浸透していたかといえば、なかったように思います。「学童期・思春期」メッセージを通して、親世代に新しい知識を伝えることは重要だと考えました。

親子のかかわり方が難しくなってゆく学童期・思春期には、親子のコミュニケーションや距離感について、悩みや戸惑いを抱える親も多くなってきます。

たとえば、反抗期の子どもや、自立と依存のはざまを行ったりきたりする子どもの揺らぎにどう関わったらいいのか迷ったり、「子どもの考えを尊重したい」と思う一方で、考えをすべて認めるのもどうかな…という葛藤が生まれることもあります。

このような難しさについて、自分たちなりに検討を重ね、親子コミュニケーションに関するメッセージを多く作成してきました。

そのことから、「子どもとのコミュニケーションの取り方(対応法)について、子どもの権利が尊重されているかどうか」という視点で見てほしいことがまずありました。
加えて、不登校やいじめ、犯罪などのトラブルに関する内容や、性交同意年齢のなどの法律が関係する内容についての専門家チェックを受けたいという考えもありました。

そして、「子どもの権利」視点での原稿チェックを引き受けてくださったのは、法律家として、「子どもの権利」に長年取り組まれておられる山下敏雅弁護士です。

東京都豊島区での子どもの権利擁護委員としての活動をはじめ、数多くの行政で子どもの人権に関する役職を担当している他、子どもに法律をわかりやすく伝えるブログ「どうなってるんだろう? 子どもの法律」を10年以上書き続けられています。また、2020年には、当団体での「子どもの権利」に関する勉強会の講師も務めてくださいました。

 

■どのような視点で依頼をしたのか

ここまで挙げてきたことのまとめになりますが、

  • 子どもとのコミュニケーションの取り方(対応法)について、子どもの権利が尊重されているかどうか
  • 不登校やいじめ、犯罪などのトラブルに関する原稿について、子どもへの接し方の助言に引っかかりはないか
  • 法律が関連する原稿において、問題がないか

という3つの視点から40本程度の原稿をピックアップし、依頼しました。

 

■自分たちでは得られなかった様々な気づき

山下弁護士からの通読後のフィードバックで、なかでも、特に学びの大きかった気づきを紹介します。

・「~してあげましょう」ではなく「子どもの育ちを大人が支える」が大切
原稿中の、「(子どもの行動を)捉えてあげましょう」という表現に対して「してあげるという姿勢ではなく、子どもの育ちを大人が支えるという観点から、すっきりと『捉えましょう』で良いのでは」という意見に、気づきをいただきました。

別の個所では、「育つこと、遊ぶこと、学ぶこと、食事が与えられること等は子どもの側からみると『権利』であり、子どもは権利の主体です。大人はその子どもの権利を保障している、支えている、という視点」の重要性も教えていただきました。

・いいところだけではなく人と違う部分や足りないところも
原稿中の、「お子さんのいいところを繰り返し伝えてあげましょう」という表現に対しては、「『自分は自分でいいんだ』という自己肯定感は、『いいところ』だけでなく、人とは違う部分や足りない部分も含めてありのままの自分を受け止めるということでもあると思います。」といただきました。
また、「自分のそれも、他の人のそれも尊重することが人権の大事な視点」であることも学べました。

・子どものまわりにいるのは親や先生、専門家だけ??
「親子だけで抱えず、スクールカウンセラーや相談窓口などの専門家にアドバイスを…」という表現に対しては、「親と専門家だけでなく、お子さんの周りに他にどんな大人たちがいるのか。親や先生のような真上の存在ではなく、地域の大人というななめ上の存在がいることが、子どもの権利保障にとって大切」といただきました。こういったことを親が知ることで、子どもが安心して過ごせる場所が増えたり、自分で自分のことを決めていく力をつける助けにもなると感じました。

以上となります。最初に想定していた3つの視点にとどまらない、数多くの気づきをいただきました。

次回以降の編集会議では、山下弁護士による「子どもの権利に関する勉強会」も予定されています。「子どもの育ちを支える」ことに、さらに貢献できる内容へとアップデートしていきたいと思います。(了)

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