「男性向けきずなメール」医学情報監修 中林正雄

「男性向けきずなメール」医学監修にあたって

産婦人科医 中林正雄

Message

先達のたゆみない努力により、日本は妊娠・出産において世界に例を見ないほど安全な国になりました。しかしながら核家族化の進行、地域連携の希薄化などの社会環境の変化により、産後の母親は思いのほか高ストレスな環境となり、産後うつ、育児困難、虐待という新たな社会問題として現れるようになっています。


私は、産婦人科専門医ある以前に3人の子を育てた父親として、長年、働く女性のための育児支援に携わってきました。その中で、妊娠・出産とその後の子育ては母親である女性独りが行うものではなく、夫である男性の意識改革が大切であると感じ、男性に向けてもたびたびメッセージを発してきました。


そんな中、きずなメール・プロジェクトから「男性向けきずなメール」の医学監修の依頼があり、私はこの団体のミッションに大いに共感し、お引き受けしました。


男性の育児参加意識の高まりとともに、子育て支援に注力する企業も増えてきましたが、労使に負担がある育児休業を実践できる企業はまだ一部で、普及にはさらなる年月が必要でしょう。そんな中、この団体が推進する「読むだけで意識が変わる子育て支援」は、現状に即したユニークかつ斬新なアプローチとして、大きな可能性を秘めていると感じています。


夫である男性の意識が変われば、女性はリラックスした子育てができるようになり、社会の活力となります。同時に、従業員が会社の要請に応えながら、溌剌と子育てに向かえる意識が広がることは、企業にとっても大きな力になるではないでしょうか。「制度」の前に、その下地となる「男性の意識改革」に企業が率先して取り組むこと、そして「男性向けきずなメール」のような新しい形の子育て支援がこうした変化のきっかけになれば、それは私の仕事がまたひとつ、子供たちの未来につながることになると感じています。


Profile

中林正雄(なかばやしまさお)
千葉大学医学部卒業、医学博士、産婦人科専門医。東京大学医学部助手、三楽病院産婦人科部長、東京女子医科大学母子センター教授、東邦大学医学部客員教授(兼任)、愛育病院院長を経て現職。秋篠宮紀子妃産科主治医。

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